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血液検査の数値について

血液検査の数値について

当サイトでは、犬の病気のなかで、とくにウルフハウンドについて注意しなくてはならないものをとりあげています。病気にかかった時の参考や病気の予防、早期の対応に役立てていただければと思います。

病気についての記述はあくまで典型的な症状や経過、治療について書いたものです。症状や経過には個体差があります。飼い主の自己判断は大変危険ですので、病気の兆候がみられたら、すぐに獣医師の診察を受けてください。


サイトハウンドの血液検査数値は、一般の犬の正常値とはずれるものがあることが知られています。ウルフハウンドの場合も同じ傾向があり、白血球数や血小板数が低め(正常値の下限、または下限をやや下回る)で、ヘマトクリットが高めの犬が多いようです。平常安定してその数値を維持しているのであれば、とくに問題はありません。

白血球数の上昇は感染症などの指標となりますが、日ごろからこの数値が低い犬では、何らかの原因で白血球数が劇的に上昇しても、一般的な「正常値」の範囲内に収まってしまい、獣医師の対応が遅れる可能性が考えられ、注意が必要です。

いざという時に迅速に的確な対応ができるように、年一回程度は定期的健康診断とともに血液検査を行い、健康時の数値を把握しておくとよいでしょう。

ウルフハウンドの犬種としての「正常値」についてのデータはありませんが、同じサイトハウンドであるグレイハウンドについてのデータを参考として掲載しておきます。


<参考:グレイハウンドの血液検査数値>

一般の正常値に対してグレイハウンドの正常値が高い・低いものを挙げています。

【普通より高い傾向】
・ヘマトクリット(PCV):正常値35〜50%、グレイハウンド45〜65%
  *グレイハウンドは35〜40%で貧血になっている可能性がある
・クレアチニン:正常値0.6〜1.6、グレイハウンド1.0〜1.7
・肝臓の数値ALT(GTP)、AST (GOP):やや高め

【普通より低い傾向】
・白血球(WBC):正常値4000〜15000/μl、グレイハウンド2000〜6000/μlがよくみられる
・血小板数:正常値150000/μl以上、グレイハウンド80000〜120000/μl
  *一般に50000を切ると血液の凝固異常が起き始める
・総タンパク:低め。正常値5.1〜7.1、グレイハウンド4.8〜6.3
・グロブリン:低め。正常値2.2〜3.9、グレイハウンド1.7〜3.0(アルブミンは普通)
・甲状腺ホルモン(Total T4, nMol/L):正常値20〜33、グレイハウンド8〜20


【参考ウェブサイト】
Greyhound Health Initiative