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仔犬の食事

仔犬の食事


超大型犬はゆっくり育てることが大事。早く大きく育てようと沢山高カロリーな食事を与えるのは逆効果です。成長時期に太らせると、骨や内臓に負担がかかり、かえって成長を阻害することにもなりかねません。生後3ヵ月以降は、細めの体型を維持するようにこころがけます。そのため、一般的な仔犬向けの高たんぱく・高脂肪・高カロリーの食事は、超大型犬にはあまり適しません。


<食事の選択>

大きな体を作っていく食べ物はとても大事です。ドッグフードは多種多様な商品が売られていますが、材料の質の高いもの、また品質管理の行き届いた店で購入するようにします。「大型犬用」があればそちらを選んだほうが無難です。

手作りにするのであれば、ある程度基本的な栄養学について学んだ上で、犬にあった内容を考える必要があります。

ドッグフードに少量の肉や、消化しやすく刻んだり煮たりした野菜をトッピングするのもよいと思います。


<栄養バランス>

仔犬の食事でとくに気をつけたいのは、たんぱく質の割合が高くなりすぎないことと、カルシウムが過剰にならないようにすることです。

ドッグフードの場合、たんぱく質の割合は一般に、生後半年までは29%程度、半年以降は24%程度がよいとされています。脂肪も、あまり多いものはよくありません(12%前後が目安ではないかと思います)。お腹の具合や太り具合、毛艶や肌のコンディションなども見ながら、その犬にあったものを見つけてください。

ただし、最近増えている「穀物不使用」のフードでは、たんぱく質、脂肪共に数値が高く、カロリーも高めです。また、とくに仔犬用、成犬用の区別がなく、全年齢用のものも多くみられます。こうしたフードの場合、上記の数値は当てはまりませんので、与える量に気をつけ、成長具合を注意深く見守りながら使っていくとよいでしょう。

カルシウムも要注意です。成長期の大型犬では、カルシウムは食事の全体量(乾物量=食事の重さから水分の重さを差し引いた重さ)の0.8~1.2%が望ましいとされていますが、これは、中・小型犬の必要量よりも少ない数字です。そのため、一般的な仔犬用フードの多くには、ウルフハウンドには多すぎるカルシウムが含まれています。カルシウムの摂取量は、少し多すぎる程度なら問題はありませんが、あまり多すぎると骨の変形などの成長障害をひき起こします。

ドッグフードにカルシウムを添加するのは絶対禁物です。手作り食の場合はカルシウムやミネラル、ビタミンなどを足してやる必要がありますが、その場合もカルシウムの与えすぎには注意してください。


<フードの切り替え>

早めに成犬用フードに切り替えることが勧められています。生後半年前後で成犬用フードに切り替えたり、あるいは離乳後から仔犬用フードに成犬用フードを混ぜることも、ウルフハウンドでは一般的です。これにはカロリーの摂り過ぎやカルシウムの過剰摂取を防ぐ効果もあります。

穀物不使用のドッグフードで全年齢用のものは、とくに切り替えの必要はありません。


<食事の回数と量>

1日の食事回数は、生後半年までは4回、それ以降1歳までは3回というのが標準的な目安です。

仔犬は体のわりに沢山のごはんを食べます。1回の食事で食べる量には限度がありますから、小さいうちは回数を多くしなければなりません。回数を3回に減らしたらごはんを残すようになった(痩せてきた)、という場合は、まだしばらく4回にしてやる必要があるのかもしれません。大柄な牡犬では、1歳半くらいまで3回やる必要がある子もいます。

1日3回や4回の食事は、毎回まったく同じものを同量与える必要はありません。1日の最後の食事は軽めにしてもよいでしょう。

与える量は、仔犬の太り具合をみて調整するのがベストです。目安となる摂取カロリーはありますが、個体差もあり、環境(室内飼・外飼い、気候や運動量など)によっても変わってきます。順調に成長し、体重・体高が伸びているというのが大前提ですが、そのうえで、余分な肉が体につかないようにしましょう。